コラム
日本の電力構成と小水力発電の可能性
2019年3月12日 文 スタッフ-hayashi
東日本大震災で原子力発電が止まり計画停電を行わなくてはならないほど日本の電力が足りなくなったことは記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
今では電気が足りなくなることはありませんが原子力発電の代わりに火力発電があてがわれているのが現状です。
今回は震災前と後とでの電力構成の変化と再生可能エネルギーの将来性について考えたいと思います。
現在の日本の電力構成
現在の日本は脱原発に向けて電力構成の改革に取り組んでいます。
もちろん水力や風力などの再生可能エネルギーを積極的に増やすかと思われますがそう簡単には行かず基本的には
火力発電で穴埋めをしておりその比率は
89%にも上ります。
震災によって原子力発電が使えなくなった影響で極端に増したような印象を受ける数値ですが震災直前の2010年でも火力発電の比率は
81%もあり実は私たちが思っているよりも化石燃料に頼った電力構成となっていました。
再生可能エネルギーの導入が進まない理由
火力発電は二酸化炭素を排出する上に資源枯渇の問題があるのになぜこれほど用いるのだろうかと一度は思ったことがあると思います。
これには再生可能エネルギーの多くに共通するある致命的なデメリットがあるためです。再生可能エネルギーは燃料を持続的に使いまわすことができる、エネルギー資源がなくならないことが最大のメリットですが
建設時のコストがかなり高いです。
また風力発電や太陽光発電が分かり易い例となりますが天候に左右されやすく
電力供給の安定性が低いことも問題です。
蓄電池を用いることで多少緩和はできているものの本質的には解決が難しく再生可能エネルギーの導入が進まない最大の理由がこれです。
水力発電の利点と欠点
コストはともかく安定性の問題を解決できている発電方法は少ないながらもありその1つが水力発電です。
エネルギー変換の
効率も高くよほど環境が変化しない限りは水が尽きることもないので発電方法の問題点はほとんどありません。
しかし日本も含め先進国の多くは建設可能な場所は開発され尽くされており
追加の建設はほぼ不可能となっています。
小水力発電の可能性
従来の水力発電は建設地や環境に与える影響が問題となっていました。
小水力発電は農業用の用水路ほどの場所に建設可能となっており水の国とも呼ばれる日本には
無数に建設できる場所が存在します。
小水力発電自体の特性は水力発電と大きく異なることはなく、二酸化炭素や放射能などの
有害物質は出さず、電力の
供給はほぼ安定的に行えます。
また通常の水力発電ではダムを作ることなどで周辺の環境を変えてしまいますがこちらにはその欠点もありません。そのため現状の再生可能エネルギーの中では小水力発電は最も導入が
現実的なものであると言えます。