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コラム

ドイツの再生可能エネルギーによる電力のシステム

2019年3月19日   文 スタッフ-hayashi

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・ドイツの電力システムの変遷

ドイツはもともと石炭が豊富な国で、オイルショックの後、国内炭の生産と原子力の開発に主力注ぐようになりました。

チェルノブイリ事故の翌年、放射性物質がバイエルン地方の草原に落ちて、それを牛が食べて、牛乳から微量の放射性物質が出たので、お母さん方がパニックになり、これを機に世論は変わりました。

2009年に原子力推進派の連立政権になって、2010年、一度、原子力開発の見直しをして運転期間延長になりました。

ところが、その後に日本の福島の事故があって、もう一度脱原子力に戻りました。


・ドイツの電力システム

ドイツの電気事業体制の中心にあるのは,E.ON,RWE,EnBW,Vattenfallの4社から成る4大電力グループです。

同グループによる発電 シェアはおよそ7割におよびます。

他に地方自治体営,IPP(独立系発電事業)など発電会社が約300 社存在します。

ドイツでは大半を占めるのは,風力など の再生可能エネルギーを利用したIPPです。

送電に関しては、22万Vと38万Vの超高圧送電線は,Amprion,TransnetBW(EnBWグループのTSO),TenneTおよび 50Hertz Transmissionの4送電会社によって所有・運用されています。

配電線(11万V以下)を所有・運用する配電系統運用者 (DSO)の数は,約900社にのぼります。

電気設備の設置・ 運転認可は州政府が担っていますが、国際・州際送電線の設置や増強計画の認可は連邦系統規制庁(BNetzA) が担当しています。


・ドイツの再生可能エネルギーの使用状況

ドイツは福島事故を契機にして、脱原子力の代わりに開発を進めてきたのが再生可能エネルギーです。

90年代から風力や太陽光などを対象とした再生可能エネルギー法ができて、「再生可能エネルギーで発電するなら高い価格で買います」となって、発電施設だけが膨れ上がって発電の設備としては四割、五割くらい再生可能エネルギーが入っています。

CО2は出ませんが、買取り価格が非常に高いので、それが補助金として消費者にかかり、電気料金がどんどん上がっています。

ドイツでは2016年現在,総発電電力量 に占める再生可能エネルギーの割合が30%を超えており、国民負担の抑制が課題 となっています。

ドイツは脱原子力,再生可能エネルギー促進,環境保護を柱としたエネルギー転換政策を推進しています。

再生可能エネルギーについては,2050年までに消費電力量に占める割合を80%まで引き上げるという目標を掲げ,固定価格買取り制度(FIT)等の施策により導入を推進しています。


・ドイツの小水力発電の現状

ドイツの河川は勾配が緩く,年降水量 も少なく,水力発電には恵まれていないにもかかわらず, 古くから,また近年にあっても盛んに小水力発電所が建設されています。


再生可能エネルギー ドイツ 小水力発電


ドイツは産業界からの要請や,細部のルールは政府ではなく民間が自主的に定めるという伝統から, 「交渉による第三者アクセス制度(託送請求者と送配電会社の交渉により託送料金を決定する)」という方式をとっています。

ドイツの電力総消費量に占める再生可能エネルギーの部門別の割合は,水力発電が約3.6%, 風力が約5%,バイオマスが約2.2%,太陽光発電が約 0.3%です。

2005年から2006年にかけてドイツにおける小水力発 電所の設置数と出力を見ると,5,000kW以下の発電所は 7,201から7,524箇所と,1年間に約300箇所もの発電所が建設されています。

2002年のドイツの再生可能エネ ルギーに関する報告では,1,000kW 以上の水力発電所 は403箇所,1,000kW未満は5,500箇所と小水力発電 所の建設数が多いです。


再生可能エネルギー ドイツ 小水力発電


事業主体には、個人からの共同出資,市民団体,公共 団体等種々の小水力発電事業者が所有する発電所などがあります。

自然愛好協会なども事業主体となっているケースが有ります。

ドイツでは,固定買い取り制度(FIT:フィードイン タリフ制度)を導入しています。

水力発電では出力規模によって買い取り価格が区分され,小規模出力ほど高く設定されています。

ドイツでは大規模水力から中小水力発電機の製造メー カーがあり,小水力発電のメーカーが企業体として成り 立っています。

ドイツに おいて小水力発電の建設を進めている要因として,

①固定買い取り制度,

②環境配慮へのインセンティブ,

③多様な事業主体の参加,

④小水力に関する情報公開,

⑤小水力利用への種々のバックアップ体制

などが上げられます。


・まとめ

以下の観点からしてドイツにおける小水力発電の未来は明るいと思われます。

① 多様な事業主体の参画によって,地域エ ネルギーである小水力の有効利用が図られている。

② 小水力発電に関する補助金や売電単価など行政の支援が充実している。

③ 小水力事業が産業として成り立っている。

④ わずかな落差に対しても小水力発電を活用しようとする意欲が高い。

などです。