コラム
バイオマス発電のメリット、デメリット
2020年1月13日 文 スタッフ-hayashi
バイオマス発電のメリット、デメリット?小水力発電との比較は!
バイオマス発電のメリットは?
バイオマス発電はゴミなどの廃棄物を利用して発電する再生可能エネルギーです。
生ゴミや木屑などのバイオマス燃料を燃やして、熱で蒸気を造りタービンを回します。
汚泥や家畜糞尿などは発酵させてできたガスを燃やしてタービンを回します。
機構的なものは火力発電と同じですが、石油や天然ガスを使わない再生可能エネルギーです。
従来廃棄していたものを利用して発電するため燃料は無限に安定して供給できます。
これらの燃料は,従来燃やして処理していたため発電で燃焼させてもCO2発生には影響がなく環境保護にも役立ちます。
牧畜を行っている地域や林業を産業とする地域では処理すべき廃棄物を利用できるのですから一挙両得でそういう地域でプラント建設が進んでいます。
こういう地方の産業に資するため、固定価格買取制度による電力会社の買取価格も下水の汚泥や家畜糞尿を利用したものでは39円/kWh,間伐材等のバイオマスを利用したもので2,000kW以下のものでは40円/kWhと極めて高く設定されています。
バイオマス発電のデメリットは?
木材の燃焼は石油などに比べて温度が低いため効率が悪くなります。
また燃料となるバイオマスの収集やペレット化させるために費用がかかり、石油や天然ガスに比べて効率が悪いため、大量の燃料を必要とします。
このため従来廃棄していた以上に燃料を収集することになり、森林を伐採して手に入れるような事態が起きかねません。
また食料としての植物を燃料として使うといった事態も起きることが懸念されています。
また雑多な材料の混合であるためPM2.5の主要成分である有機炭素の発生源になることがあり、ダイオキシン類を生成する銅などの不純物を含むこともあります。
このため高温で完全燃焼させる必要があり、その分装置が高価になります。
小水力発電との比較と今後の展開!
小水力発電は水の流れのあるところでそれを利用して手軽に設置ができますが、バイオマス発電は燃焼を伴うため、設置要件は限られてきます。
現在は家畜の糞尿が容易に得られる牧畜の地域や木材のごみが出やすい林業地域でプラントが作られています。
直接バイオマスを燃焼するのでなく高温でガス化してガスの燃焼を利用する方が高効率のため、この方式の設備の開発も進められています。
また下水の汚泥を蓄積させてこれから出るガスを利用することも進みだしています。
バイオマス発電はまだ技術開発も燃料の入手方式の開発も必要で今後の進展により普及の度合いがきまっていくと思われます。