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2016年9月23日 金曜日配信  文 スタッフ-matsumoto

科学・数学・技術領域に重点をおき注目される「STEM」-Science、Technology、Engineering、Mathematics


コラム STEM 機械の転職
STEMはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったものとなっており、アメリカ経済が今後も大きく成長していく中で重要な分野だと考えられています。
今回のコラムでは、そんなSTEM教育についてご紹介します。

■STEM教育
STEM教育とは、科学教育、技術教育、工学教育、数学教育を統合した教育を推進しようとするもので、アメリカにおいて導入されている教育のキーワードで、日本でも近年注目されつつあります。
STEM教育は科学と数学を土台として展開する科学技術人材育成を行おうというアメリカの戦略があり、社会に出る前の子どもたちが、将来そうした舞台でリーダーとして活躍することを目的とした教育です。
オバマ大統領がSTEM教育を優先課題の一つとして、一般教書演説等で取り上げたことが広まるきっかけとなったと言われています。
この4つの理数系の教育に力を入れることで、科学技術及びビジネス分野で国際競争力を発揮できると考えられています。
世界における科学技術の優位性を保ちつつ、それを維持していくための国家的戦略といえるでしょう。

アメリカでは、STEM教育を科学と数学を基礎に展開する「科学技術人材育成」と捉えているようです。
オバマ大統領は就任して以来ずっとSTEM教育を優先課題としてきているわけですが、それは、理数系の教育に力を入れないと、科学技術だけでなくビジネスの分野でも国際競争力を発揮できなくなるという危機感からです。
オバマ大統領は再選直後に、「変革とは、どんな年代の人でも、良質な職に就くための技能と教育を得られる国にすることだ」「・・・今後は高技術、高賃金の雇用が中国へ流れないよう、数学と科学の教師を10万人採用し・・・」などと述べています。
また、大統領科学技術諮問委員会が、2012 年2月に大統領に出したレポートでは、「米国が今後も科学技術分野での優位性を保つために、STEM分野の専門家を今後10年間において100万人増員する必要がある」提言しています。
このように、STEM教育は、アメリカにおいては科学技術の優位性を支え、維持していくための国家的戦略と捉えているようです。

アメリカ政府のSTEM に関する主な目標内容には次のようなことが挙げられています。
・2020年までに初等、中等教育の優れたSTEM分野の教師を10万人養成。併せて現在のSTEM教員も支援する。
・初年次から高校卒業までの間でSTEM分野の経験を持つ若者を毎年50パーセント増加させる。
・大学生については、今後10年間でSTEM分野の卒業生を100万人増加させる。
・今後10年間で、これまであまりSTEMと関係していなかった層からSTEMに関する学位を取得する学生数を増加させる。また女性の参加を促進する。
・大学卒業生にSTEMの専門知識や応用研究を学ぶ訓練制度を提供する。
これらの目標を達成させるために、年間30億ドルの予算が投じられています。

このようなSTEM教育は、従来の理科教育、科学教育をとらえ直し、新たな体系化を図る動きとも言えます。
さらにアメリカの特徴としては、産学連携事業が強調され、地域の企業が積極的にSTEM教育に参画していることが挙げられます。
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■日本のSTEM教育
アメリカにおいて本格的に取り入れられているSTEM教育は、先に挙げたように日本の教育分野でもその取り組みが少しずつではありますが行われています。
2014年2月に経済団体連合会は、「既に、欧米をはじめ各国ではSTEM教育やMINT教育を、創造性や起業家精神の涵養までも加味しながら強化している。他方、わが国においては、「理科離れ」が進むなかで、大学が輩出する理工系人材の質の低下が懸念されている。今こそ理工系人材の育成を国家の重要戦略の一つとして積極的に推進すべきである。」と提言しています。
文部科学省は学習指導要領の見直しや入試制度、センター試験の改革を進め、さらに全国合わせて200校以上の指定校があるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)や国際科学技術コンテスト、科学の甲子園、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)、次世代科学者育成プログラム、中高生の科学研究実践活動推進プログラムなどの取り組みも行っています。
ただ、こうした文部科学省の活動は、理科教育・科学技術教育の充実を図ってはいるが、STEM教育を国家戦略と位置付けているアメリカを代表とする各国に比べるとそこまでの大きな活動とは言えないといった指摘もあります。
しかし、実際にSTEM教育を研究している機関もわずかではありますが存在します。
そのうちの一つが埼玉大学のSTEM教育研究センターです。
埼玉大学では2002年にSTEM教育研究センターを開設し、現在も活動を行っています。
ここでは、教育方法や指導者育成に関する研究の専門家を中心に、外部共同研究機関や大学周辺地域をはじめとする多くの教育現場と連携し、ロボットやレゴブロックなどを教材とした教育カリキュラム「SSCIP(スキップ)」の普及を行っています。

こうした公的機関以外に民間でもSTEM教育を行っている企業があります。
例えば、ソニー・グローバルエデュケーションと学研ホールディングスは2015年にSTEM教育サービス事業の拡大に向けて業務提携を結び、STEM教育に関する教育プラットフォームやカリキュラム、プログラムなどを共同で事業開発するという試みを行おうという計画があります。
また、株式会社ロボット科学教育は、ロボット教材を用いたオリジナルカリキュラムで科学を楽しく学ぶ学習塾を全国的に展開しており、これまで小学校低学年向けに提供していたプログラムを全国の学童保育向けに映像で提供していくことを発表しています。
このほかにも複数の企業がこれまでのSTEM教育の事業を拡大したり、教育機関同士が提携をしたりなどしてさらなるSTEM教育の発展を行おうと取り組んでいます。









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